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バックグラウンド

消化管は生体と外界とのインターフェイスであり、多くの外来抗原に絶えず暴露されています。そのため、全身免疫系とは異なって制御される腸管粘膜免疫系が存在します。腸管は免疫系に加え神経系および内分泌系と共に緊密に連携し、生体の恒常性を精巧に維持しています。このような精巧な制御機構により調節されている腸管の疾患は、病因や病態が多岐にわたるため、薬理学的メカニズムが限られる単剤を用いる治療法では治療効果に限界がある場合も数多くあります。腸管疾患に対する治療・創薬戦略には、消化管全体を1つのシステムとして捉え、「消化管のシステムを調節する」という考え方が必要であると考えます。一方、複数の薬理作用を持つ多成分系の薬物である漢方薬は、生体のバランスや恒常性の維持に重きを置く薬物治療体系であり、現代医療の中でも、消化管は漢方薬治療が比較的多く取り入れられている領域となっています。 
そこで、先端的研究技術を用いて、分子レベルおよび生体レベルの両面から和漢薬の作用の科学的基盤を確立することは、経験則で行われてきた和漢薬治療に科学的なエビデンスを与えるとともに、和漢薬をベースとしたより有効な治療薬の開発を可能にすると考えています。

研究概要: テキスト

研究テーマ

1. 炎症性腸疾患及び食物アレルギーモデルの病因及び病態形成機序の解明


2. 腸管免疫性疾患に対して治療効果を有する漢方薬の作用機序の解明


3. 粘膜型マスト細胞、樹状細胞、制御性T細胞や腸管マクロファージの病態生理学的役割とその活性化制御機構の解明


4. 腸管粘膜免疫系と自律神経系のクロストークの解明


5. 腸管免疫寛容機構の解明と食物アレルギー治療薬への応用

研究概要: テキスト
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